廃業を知る

会社をたたむ相談ができる公的な相談窓口「よろず支援拠点」の活用方法

会社をたたむ、会社を閉じることを意識した時に、「よろず支援拠点」という公的な相談窓口がある事を知らない経営者も多いのではないでしょうか?
国が全国の各都道府県に設置している「よろず支援拠点」は、中小企業の経営者が無料で経営相談できる施設です。今回はこのよろず支援拠点の仕組みと活用方法を解説します。

よろず支援拠点の開設にはどんな背景があったのか

よろず支援拠点

よろず支援拠点は平成26年度から中小企業の経営相談にあたる機関として整備が開始されました。経済産業省の発表している背景と概要は、以下のとおりです。

全国385万の中小企業、中でもその9割を占める小規模事業者は、地域の経済や雇用を支える極めて重要な存在です。しかしながら、中小企業・小規模事業者からの相談対応を担う既存の支援機関には機関ごと地域ごとに支援のレベル・質・専門分野、活動内容等のバラツキがあるなどの課題もあり、相談体制の更なる整備が必要です。

このため、新たに「よろず支援拠点」を各都道府県に整備し、地域の支援機関と連携しながら、中小企業・小規模事業者が抱える様々な経営相談に対応します。6月2日に40拠点を開設し、残り7拠点についても順次開設予定です。

出典: www.chusho.meti.go.jp

日本の地域経済を支える中小企業の中でも、とくに小規模事業者にとって、安心して質の高い経営相談ができる支援機関の存在が必要である、という趣旨で設立された経緯があります。

従来から、公的な経営相談の窓口としては都道府県ごとの産業振興センターや産業振興公社といった公益財団法人が知られています。よろず支援拠点は、より踏み込んだ形での包括的な相談が可能になっています。

全国47都道府県に設置されるよろず支援拠点

よろず支援拠点は全国47都道府県に整備されています。それぞれの地域の支援事例をみると、中小事業者に対してどのようなサポートを行ったかの実績を知る事ができます。
良い商品を開発したけれど販促に困っている事業者の支援、コロナ禍で売上不足に悩むレストランに対する業態転換の支援、人手不足で悩む製造業の採用支援、など多くの事例が紹介されています。3年がかりで事業承継を図った事例から、商店街の飲食店で着ぐるみを着て売上アップを図った事例までバラエティ豊かな支援事例があげられています。相談員が伴走者となり、長期的に課題解決のアドバイスをしている傾向があります。ご自身の地域でどんな会社が相談をしているのか、またどんな支援が行われたかを確認してみると良いでしょう。

北海道
拠点名 電話番号 設置機関
北海道よろず支援拠点 011-232-2407 (公財)北海道中小企業総合支援センター
東北
拠点名 電話番号 設置機関
青森県よろず支援拠点 017-721-3787 (公財)21あおもり産業総合⽀援センター
岩手県よろず支援拠点 019-631-3826 (公財)いわて産業振興センター
宮城県よろず支援拠点 022-393-8044 宮城県商工会連合会
秋田県よろず支援拠点 018-860-5605 (公財)あきた企業活性化センター
山形県よろず支援拠点 023-647-0708 (公財)山形県企業振興公社
福島県よろず支援拠点 024-954-4161 (公財)福島県産業振興センター
関東
拠点名 電話番号 設置機関
茨城県よろず支援拠点 029-224-5339 (公財)いばらき中小企業グローバル推進機構
栃木県よろず支援拠点 028-670-2618 (公財)栃木県産業振興センター
群馬県よろず支援拠点 027-265-5016 (公財)群馬県産業支援機構
埼玉県よろず支援拠点 0120-973-248 (公財)埼玉県産業振興公社
千葉県よろず支援拠点 043-299-2921 (公財)千葉県産業振興センター
東京都よろず支援拠点 03-6205-4728 (⼀社)東京都信用金庫協会
神奈川県よろず支援拠点 045-633-5071 (公財)神奈川産業振興センター
新潟県よろず支援拠点 025-246-0058 (公財)にいがた産業創造機構
山梨県よろず支援拠点 055-243-0650 (公財)やまなし産業支援機構
長野県よろず支援拠点 026-227-5875 (公財)長野県中小企業振興センター
静岡県よろず支援拠点 054-253-5117 静岡商工会議所
中部
拠点名 電話番号 設置機関
愛知県よろず支援拠点 052-715-3188 (公財)あいち産業振興機構
岐阜県よろず支援拠点 058-277-1088 (公財)岐阜県産業経済振興センター
三重県よろず支援拠点 059-228-3326 (公財)三重県産業支援センター
富山県よろず支援拠点 076-444-5605 (公財)富山県新世紀産業機構
石川県よろず支援拠点 076-267-6711 (公財)石川県産業創出支援機構
近畿
拠点名 電話番号 設置機関
福井県よろず支援拠点 0776-67-7402 (公財)ふくい産業支援センター
滋賀県よろず支援拠点 077-511-1425 (公財)滋賀県産業支援プラザ
京都府よろず支援拠点 075-315-8660 (公財)京都産業21
大阪府よろず支援拠点 06-4708-7045 (公財)大阪産業局
兵庫県よろず支援拠点 078-977-9085 (公財)ひょうご産業活性化センター
奈良県よろず支援拠点 0742-81-3840 (公財)奈良県地域産業振興センター
和歌山県よろず支援拠点 073-433-3100 (公財)わかやま産業振興財団
中国
拠点名 電話番号 設置機関
鳥取県よろず支援拠点 0857-31-6851 鳥取県商工会連合会
島根県よろず支援拠点 0852-60-5103 (公財)しまね産業振興財団
岡山県よろず支援拠点 086-286-9667 (公財)岡山県産業振興財団
広島県よろず支援拠点 082-240-7706 (公財)ひろしま産業振興機構
山口県よろず支援拠点 083-902-5959 (公財)やまぐち産業振興財団
四国
拠点名 電話番号 設置機関
徳島県よろず支援拠点 088-676-4625 (公財)とくしま産業振興機構
香川県よろず支援拠点 087-868-6090 (公財)かがわ産業支援財団
愛媛県よろず支援拠点 089-960-1131 (公財)えひめ産業振興財団
高知県よろず支援拠点 088-846-0175 (公財)高知県産業振興センター
九州
拠点名 電話番号 設置機関
福岡県よろず支援拠点 092-622-7809 (公財)福岡県中小企業振興センター
佐賀県よろず支援拠点 0952-34-4433 (公財)佐賀県産業振興機構
長崎県よろず支援拠点 095-828-1462 長崎県商工会連合会
熊本県よろず支援拠点 096-286-3355 (公財)くまもと産業⽀援財団
大分県よろず支援拠点 097-537-2837 (公財)大分県産業創造機構
宮崎県よろず支援拠点 0985-74-0786 (公財)宮崎県産業振興機構
鹿児島よろず支援拠点 099-219-3740 (公財)かごしま産業支援センター
沖縄
拠点名 電話番号 設置機関
沖縄県よろず支援拠点 098-851-8460 沖縄県商工会連合会

よろず支援拠点の相談は何度でも無料


よろず支援機関は「悩みのない、中小企業なんてない。だから、よろず支援拠点がある。」をテーマに、中小企業の経営課題の解決にあたっています。事業承継、ITの活用、人手不足、生産性向上、販路拡大、売上アップ、創業、廃業など多岐に渡る課題の相談にあたっています。1回相談をして、アドバイスをしてもらっただけで解決する課題ばかりではないため「何度でも無料で相談できる」ことが特徴となっています。

よろず支援拠点の評判、口コミは?

よろず支援拠点の相談件数は平成26年度の事業開始から年々増加をしており、令和2年度の相談累計数は432,640件となっています。事業スタートからの相談者の満足度は8割を超えています。こうした評価につながっている原因としては、支援拠点の相談事業が
①幅広い経験をもった専門家が相談にあたる
②相談内容に応じて課題解決の為のチームをつくる
③ワンストップでサービスを提供している
という強みがあると考えられます。

いままでの公的な経営支援は専門性やレベルにばらつきがあったと言われています。よろず支援拠点では中小企業の課題解決に精通した専門家を揃え「経営者をひとりにしない」というスタンスのもと支援をおこなっていると言えます。

よろず支援拠点での廃業相談

よろず支援拠点での令和2年度の相談内容の内訳を見ると、売上拡大に関する相談が66.8%と圧倒的な割合を占めています。
廃業に関する相談は0.3%なので、年間で1,300件ほどの廃業の相談があった形になります。全体の割合からすると少ない数字のようにも見えますが、「廃業」に関して公的な支援機関で相談が1,000件以上実施されたのは一つの成果と言えるのではないでしょうか。
また、廃業に至る「事業承継」に関する相談が1.2%になっていますので、こちらは5,200件近い相談件数になっています。事業承継や廃業というネクストステップの相談実績がトータルで6,000件以上になっているのは、思いのほか大きな数字であると言えます。

株式会社東京商工リサーチの2020年休廃業・解散企業」動向調査によれば
「2020年(1-12月)に全国で休廃業・解散した企業(以下、休廃業企業)は、4万9,698件(前年比14.6%増)。これまで最多の2018年(4万6,724件)を抜き、2000年に調査を開始して以降、最多を記録した」
との事です。この数字に年間1万件程度の倒産件数を足すと、年間で約6万件の事業者が廃業や倒産を選択するということになります。この6万件の数字をベースに考えると、よろず支援拠点で事業承継や廃業の相談を年間6,000件受けているというのは大きなボリュームになっていると言えます。

よろず支援拠点は誰が相談にのってくれるのか?

国が全国47都道府県に設置したよろず支援拠点には、組織の指揮官であるチーフコーディネーター(CCO)が配置されています。その下に各分野のスペシャリストであるコーディネーター(CO)が配置されています。
CCOはプレーヤーとして中小企業の課題解決の現場に立つと共に、専門領域を持つCOを束ねて、チームとして最適なパフォーマンスを発揮できるようにマネージメントをおこなっていきます。各エリアのCCOのプロフィールを見ると、大手銀行での勤務経験のある方や、自身で会社を経営している中小企業診断士の方、フリーランスのライターとしての経験がある方など、多様なキャリアを持った方が就任しています。また、COの担当する専門領域を見ると、経営戦略からマーケティング戦略、ICT経営、製造原価管理・品質管理、労務管理・雇用人材支援など幅広い領域をカバーしています。自身の悩み事にマッチしたCOを見つけて、相談してみる事をお勧めします。

まとめ よろず支援拠点の上手な活用方法

よろず支援拠点
よろず支援拠点は地域の小規模事業者が気軽に経営相談が出来る窓口として平成26年から国によって設立されています。

特徴としては
・経験豊富な専門家による総合的なアドバイスを受ける事ができる
・課題解決の為のチームによるサポート
・何度でも無料で活用できるワンストップサービス

があります。

経営相談やアドバイスという言葉に抵抗感を持つ経営者もいると思います。ただ、累計で46万件以上の相談にあたっているよろず支援拠点は公的な経営サポートとして実績を重ねています。経験豊富なコーディネーターにご自身の抱える廃業の悩みを相談する事によって、今まで自分では気づけなかった解決法に出会える可能性もあります。まずは、地域の相談窓口に連絡をしてみてはいかかでしょうか?

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