廃業を知る

役員辞任の手続きを自分で行う際の注意点、法務局への提出書類を解説

役員辞任

役員の辞任は、廃業のプロセスの中で避けて通れない手続きだと言えます。
役員が社長一人であれば、全てを自分一人で決めることができますが、役員が複数いる場合には、廃業に関しても役員間での合意形成が必要になります。そのため、何よりスピーディーな意思決定を必要とされる廃業のプロセスにおいては、社長以外の役員には辞任していただき、社長一人で廃業に取り組むのがベストであると当センターでは考えています。

役員辞任の手続きを司法書士に依頼すると、当然、その分の費用がかかります。できる限りコストを削減して廃業を進めていく為には、役員辞任の手続きは自分で行うのが一番と言えます。今回は「自分でやる」役員辞任の手続きについて解説します。

役員辞任の登記申請は自分でできる DIY廃業


役員(取締役)の変更には、就任、解任、辞任など、いくつかの種類がありますが、廃業に伴って行うべき「役員の辞任」は(就任や解任とは異なり)株主総会の決議を行わないですむため、
・辞任届(人数分)
・株式会社変更登記申請書(人数に関わらず一通)
この2つを法務局に提出するだけの、シンプルな手続きになります。

なぜ役員に辞任してもらう必要があるのか?

複数の役員がいる場合、それぞれの立場や考え方が異なるため、廃業という重要な判断をするにあたっても、一つ一つのプロセスでいちいち議論と合意形成が必要となります。ましてや、時間がない中で、廃業か破産か民事再生かというきわどい判断を行っていくためには、複数の役員がいる状態では、時間と労力がかかりすぎてしまいます。ましてや、先代の社長が会長などの形で役員にとどまっている場合などに多いケースですが、廃業そのものに懐疑的・反対的である場合、一つ一つのプロセスで何度も何度も説得を重ねなくてはいけないということにもなりかねません。

一方、家族を形式的に役員にしているケースや、どんな事があっても一緒に最後まで添い遂げますという役員で役員陣が構成されているケースもあり、この場合は、いちいち議論や合意形成をせずに済むのでは?という意見もあります。
しかし、身内であったり忠誠心の強い役員であればこそ、破産や民事再生の際に直面する苦しさ、債権者たちの矢面に立つ辛さ・苦しさを味わわせないために、役員の辞任を勧めるというケースが実際はほとんどです。

上記のように、役員が敵対的な場合、友好的な場合のいずれにおいても、役員は社長一人とし、スピーディーに手続きをすすめるのが最善だと言えます。さらに、役員を減らすことで、役員報酬の支払いを減らすことができるというメリットもあります。

役員辞任の手続きにかかる費用

役員辞任の手続きにかかる費用は、法務局に支払う下記の登録免許税(印紙代)のみです。
資本金1億円以下の場合:1万円
資本金が1億を超える場合:3万円
1回の申請で辞任する取締役が複数名いても金額は変わりません。そのため、多くの中小企業の場合、役員辞任に関する登記の費用は1万円の印紙代のみという事になります。

役員の辞任を司法書士に依頼したい場合は

役員辞任の手続きを司法書士に依頼した場合、費用に法律的な規定がある訳ではないので、司法書士によって費用は違ってきます。平均的には2~3万程度になります。この費用に登録免許税(印紙代)と諸費用が合計されて、3~5万になる事が多いです。付き合いのある司法書士に見積りを依頼し、この金額以上であれば、割高だといえるでしょう。廃業をする際には、出来るだけコストを削減したいところ。もし司法書士に依頼する場合は、費用の相場感を知って、出来るだけ安く依頼できる依頼先を見つける事がベターです。

役員辞任の手続きに際しての注意事項

役員辞任
役員辞任の手続きにあたって注意するべき点は、辞任届の作成にあたり、必ず本人に捺印をして提出してもらうことです。中小企業の中には、従業員や役員のハンコを会社側が預かっていて、本人の代わりに会社側が捺印して書類を作ってしまうケースも少なくないのが現実かと思います。
しかし、辞任届はあくまでも、役員本人が会社に提出する書類になります。「勝手に会社側が辞任届を提出した」と役員側から争いをおこされてしまっては本末転倒になります。会社の状況を適切に説明して、辞任届は本人に提出してもらう事を理解しておく必要があります。

役員辞任の登記申請は自分で出来る手続き まとめ

役員辞任の登記申請は司法書士に依頼しないといけない、という先入観をもっている方もいるかもしれませんが、役員辞任の登記申請は意外と難しくありません。
辞任届のフォーマットは、インターネットで検索すれば多数の雛形をダウンロードできます。役員(取締役)に辞任届を捺印してもらい、株式会社変更登記申請書を法務局のサイトからダウンロードして自社用に修正して法務局に提出すれば、1週間程度で登記変更済の謄本(履歴事項全部証明書)を入手する事ができます。
廃業をする際には出来るだけコストを削減したいところです。資本金が1億以下の中小企業であれば、費用も登録免許税が1万円かかるだけになります。できるだけ費用をかけずに廃業の手続きを進めるためにも、役員辞任の登記申請は自分で行うことをお勧め致します。

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