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赤字企業がM&Aの可能性を高めるための3つのポイント

スモールM&A

スモールM&Aという言葉が一般的になりつつあり、中小企業でもM&Aを検討する会社が増えています。レコフデータの調べによると、2021年のM&A件数は4,280件となり、2019年の4,088件を上回り過去最多を記録しました。今後も増加傾向が予想されています。
しかし、中小企業の代表者が気になるのは「うちの会社もM&Aできるの?」ということではないでしょうか。最もよく聞かれるのが、赤字だけどM&Aの可能性があるかという内容です。
国税庁が2021年3月26日に公表した「国税庁統計法人税表」(2019年度)によると、赤字法人(欠損法人)は181万2,332社。 全国の普通法人276万7,336社のうち、赤字の割合は65.4%にものぼります。一般的には赤字企業や債務超過の企業のM&Aはしづらいと思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。今回は、赤字企業がM&Aを検討する際のポイントについて解説していきます。

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赤字企業とは?

スモールM&A
赤字企業とは、1年間の経営成績である損益計算書が赤字になっている企業のことです。売上よりも経費の方が多く、利益が出ていない状態です。
まず、赤字の原因を把握しておく必要があります。よくあるケースとして、設備投資等による一時的な赤字です。投資によって赤字になっている場合は、投資内容が適切であればその後の事業は黒字に転換することでしょう。また、外部環境の一時的な悪化も考えられます。例えば、これまで問題なく仕入れられていた原材料が入手しづらくなり、価格が高騰するといったケースです。
このように、赤字の理由は様々ですし、会社によって異なるというのが実際のところです。大切なのは、赤字であることを差し引いても買手が買収したいと思う会社であるということです。現状赤字だからといってM&Aの可能性を諦める必要はありませんが、できる限り有利に交渉するためにもポイントを理解しておく必要があります。具体的に見ていきましょう。

赤字企業のM&Aの可能性を高めるには
赤字企業でも、その会社にしかない強みがあれば売却の可能性は高まります。弊社が担当した案件はほぼ売り手が赤字企業です。それでは、なぜ成約できたのでしょうか?

1.自社の強みを持っている

あなたの会社の強みは何でしょうか?他社に負けない強みはありますか。他社で扱っていない独自の商品・サービスがある、参入障壁の高いビジネスである、高い技術力がある、優良な取引先がある、など様々な強みが考えられるでしょう。たとえ現在の業績が赤字であっても、他社が欲しがるような強みがあればM&Aの可能性が高まります。
強みと言っても、一朝一夕で手に入るものではありません。日頃から強みを確立し、他社と差別化するという取り組み姿勢が重要です。万が一、M&Aが成約しなかった場合でも、確立された強みがあれば自社で業績回復させる道も考えられます。

2.赤字理由を分析しておく

上記でも述べたように、赤字の理由は会社ごとに様々です。赤字理由を分析して明確にしておくことで、買手に安心感を与えることができますし、買収後のビジョンを描きやすくなります。買手のデューデリジェンスの際に明確に回答できれば好印象を与えられます。
また、M&Aを検討していたとしても、きちんと将来の戦略を立てて経営計画を策定し、事業運営していることも買手へのアピールとなります。

3.優秀な人材がいる

日本では人口減少に転じており、人手不足は深刻な社会問題となっています。「人手不足倒産」という言葉が出てくるほど、人材確保に苦労している業界や会社があります。裏を返してみれば、優秀な人材がいる企業はたとえ業績が赤字であっても魅力的に映るでしょう。
特に、運輸業界、医療福祉業界、建設業界では人手不足が深刻化していますし、IT業界では人材の争奪戦になっています。これらの業界で優秀な人材がいる企業は、人材が強みというアピールも可能です。

買手の立場でのメリットは?

スモールM&A
これまでは赤字の売手企業の売却可能性を高めるためのポイントを説明しました。それでは、買手の立場で赤字企業を買収するメリットは何でしょうか。それは、ズバリ「節税効果」と「安価に事業拡大」できることです。

1.節税効果が期待できる

儲かっている買手が赤字企業を買収する大きなメリットの一つが節税です。企業の課税所得がマイナス(赤字)になると、繰越欠損金として7年間繰り越すことができ、翌年以降に課税所得が生じた場合に減額することができます。
これを活用すれば、利益が出ている企業は赤字企業を買収して、利益のでる事業をその会社に移すことで買手の黒字を抑えることができ、節税が可能となります。

2.安価に事業拡大できる

赤字企業は比較的安価に買収することが可能です。赤字の理由によっては、容易に黒字化することができる場合もありますし、買手の事業とのシナジーにより早期に黒字化できる場合もありますので、お買い得なM&Aができる可能性を秘めているのです。

まとめ

赤字が続いて経営が厳しくなってからM&Aを検討される経営者もいらっしゃいますが、それでは交渉が不利になる可能性があります。親族内承継、第三者承継(M&A)のどちらでも、事業承継は業績が好調なときに先々を見据えて検討するのがベストです。まずは、信頼できる専門家に相談することをお勧めします。M&Aに限らず会社にとってベストな案を提案しますので、ぜひ廃業支援センターにご相談ください。

著者プロフィール

木下綾子 キノシタアヤコ 大学院修了後、大手電機メーカー2社で組み込みソフトウェア開発に約9年従事。2008年のリーマンショックをきっかけに、中小企業診断士の受験を始める。2012年度に中小企業診断士試験合格、2013年4月登録。 2014年、中小企業診断士として独立開業。2015年3月に株式会社ステラコンサルティングを設立。 経営改善・事業再生を中心に企業支援を行い、支援先企業は30社を超える。出口戦略としてM&Aのアドバイザリー業務も手掛け、成約実績も多数あり。また、公的機関で医工連携コーディネーター業務にも従事し、医療機器開発支援も行う。 2019年に銀座のネイルサロンを買収し、経営している。 Lumiena Ginza https://lumiena.jp/

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