廃業を知る

廃業をした経営者向け融資を広島市が新設 再起チャレンジ資金 

廃業した経営者向け融資
この記事の監修
株式会社リスタートスタイル 代表取締役 / 廃業コンサルタント 西澤 佳男 (にしざわ よしお)

起業3回廃業2回うち民事再生1回、双子のパパ。
ベンチャーの起業・複業・廃業の領域で「社長のサバイバル」を支援しています。

長引くコロナ不況の中で、これからの事業の先行きに不安を抱えている経営者も少なくないと言えます。経営者の高齢化や後継者の不在、事業環境の変化中で業績不振に陥っていた中小企業にとって、コロナウィルスの影響は甚大なものがあります。東京商工リサーチの調査によると2020年の休・廃業の件数は5万社を超えています。このような状況下において、廃業を検討する事業者の数は増え続けています。国はコロナ禍にあえぐ企業向けに、政府系金融機関を中心に実質無利子・無担保の融資を実施しており、多くの企業がいわゆるゼロゼロ融資を利用しています。こうした国の取り組みとは別に廃業をした経営者向けに再チャレンジを促進する融資制度を新設する自治体があります。いち早く、廃業者向けの「再起チャレンジ資金」を予定している広島市の産業立地推進課に制度の設立の経緯などをお聞きしました。
廃業した経営者向け融資

廃業をした経営者向けの融資制度に広島市が取り組む経緯

広島市産業立地推進課が関係者にヒアリングしたところ、コロナ禍で苦境に陥った中小企業は国のゼロゼロ融資によって、ある程度の資金需要は満たされているという課題の認識があったそうです。ただ、国と同じ取組をしても仕方がないという考え方の元で新制度を検討したとの事です。新制度の一つの方向性は、コロナ禍での新しい生活様式や新たな事業環境に対応して新分野に取り組む方向けの融資です。「コロナ禍ではあるが、原状維持では良くない」というの率直な考えがベースにあるそうです。もう一つの方向性が、廃業した経営者向けの融資制度です。後者の方が先に報道された為、注目を浴びていますが、根本にはコロナによる大きな事業環境が変容する中で、「このままではダメ、変化対応型の事業者を支援していきたい」という方針があるようです。

再起チャレンジ資金について

再起チャレンジ資金の利用者イメージとしては、コロナ禍で会社を続ける事が困難になった経営者が通常清算で廃業した場合や、法的整理経てある程度落ち着いた状況にある経営者を対象としているとの事です。融資の制度として、広島市が金融機関に預託するものになっている為、申請書類自体も金融機関に提出をするという形をとっているそうです。金利は0.8%と、再チャレンジを検討する経営者にとって取りくみ易い設定になっています。9月の補正予算を使って、10月から開始予定との事でした。

地方自治体による経営者向け再チャレンジ制度

廃業した経営者向け融資
廃業を経験した経営者向けの支援施策は今までもいくつかありますが、中国地域の中核都市である広島市が先んじて取り組む事自体が、チャレンジングなものと言えます。今後も様々な自治体で廃業した経営者向けの支援制度が出てくる事が予測されます。廃業支援センターではこのような取り組みに関して、積極的に伝えていく予定です。

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