廃業を知る

廃業支援をコロナ禍で活用する方法|補助金や制度を詳しく解説

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この記事の監修
株式会社リスタートスタイル 代表取締役 / 廃業コンサルタント 西澤 佳男 (にしざわ よしお)

起業3回廃業2回うち民事再生1回、双子のパパ。
ベンチャーの起業・複業・廃業の領域で「社長のサバイバル」を支援しています。

全世界を恐怖に陥れた新型コロナウイルスの影響力は計り知れず、これまで順風満帆だった企業ですら経営状況が悪化し、廃業に追い込まれるケースが見受けられます。

廃業を決断した中小企業者や小規模事業者は、国や信用保証協会が設けた廃業支援を活用することができますが、新型コロナウイルスの流行に伴って改正された廃業支援があることをご存知でしたか?

この記事では、廃業支援をコロナ禍で活用する方法として、国や金融機関から受けられる補助金や制度を詳しく解説していきます。

新型コロナウイルスの流行に伴い廃業数が増加

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経営者が自らの意思で事業を止めることを廃業と呼び、主に以下のような理由で廃業の決断に至っています。

  • 業績が厳しい状態
  • 後継者が見つからない
  • 会社に将来性がない
  • 自分の代で退く計画だった
  • 高齢で体力が持たなくなった

廃業は必ずしも経営難の理由だけから決断されているわけではなく、「このまま事業を続けても成長が見込めない」「会社の経営の舵を取る体力が無くなってしまった」などの理由で経営を止めるケースもあります。

廃業数の多い業種

ここ最近では、新型コロナウイルスの流行によって発令された緊急事態宣言や感染予防対策によって、経営が大きく傾いてしまった企業も多く見受けられます。

例えば、「感染を恐れてお客様がお店に足を運んでくれなくなった」「対面接客を要する業務を大幅に変更せざるを得なくなり、生産性が低下した」などの影響があり、廃業数も増加の傾向にあります。

東京商工リサーチの調査結果では、2020年に廃業した企業数は49,698件で、2019年と比べると14.6%増加していると報告されています。この数字は2000年以降最多となっており、コロナの影響によって廃業数が増えたことが目に見える結果として表れています。

2020年における産業別の廃業数と構成比
産業 廃業数 構成比
サービス業他
(飲食業・宿泊業など)
15,624件 31.4%
建設業 8,211件 16.5%
小売業 6,168件 12.4%
製造業 5,518件 11.1%
卸売業 4,735件 9.5%
不動産業 3,744件 7.5%
情報通信業 2,453件 4.9%
金融業・保険業 1,817件 3.7%
運輸業 837件 1.7%
農林・漁業・鉱業 591件 1.2%

出典元:2020年「休廃業・解散企業」動向調査(東京商工リサーチ)

2020年において最も廃業件数が多かったのは、飲食業や宿泊業など接客を要するサービス業です。補助金や助成金、GO TOキャンペーンなどの国からの救済処置はあったものの、小規模から中規模の企業が続々と休廃業に追い込まれてしまいました。

コロナ禍で働き方改革を進める企業がある中、事業を継続したくても環境の変化に適応できず廃業に至ることは珍しくない時代になったといえます。

廃業に追い込まれた原因

新型コロナウイルス感染予防対策として3密の回避、不要不急の外出自粛などが政府から国民に促されましたが、その結果、さまざまな産業が経済的に大きなダメージを受ける形となりました。

【ケース1】老舗ホテルの廃業

1968年に福岡県で創業したタカクラホテル福岡は、地場資本ホテルとして長年多くの利用者に愛されてきました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって多大な影響を受け、総売上が前年比80%と大きく減少。3密による感染リスク回避の観点によって、宴会のキャンセルや延期が相次ぎ、経営が困難であると判断しました。

そして、2021年1月31日を持って自主廃業することを決断したようです。

経営を続けたい気持ちがあっても、従業員への給与支払いや債務の支払いが滞ってしまうことから廃業を選択するケースは多くみられます。

出典元:タカクラホテル福岡 自主廃業 コロナ過による宴会中止が響く(HotelBank(ホテルバンク)

【ケース2】飲食店の廃業

飲食店を経営する30代男性は、青森県を中心として東北地方に5店舗を構えていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって客足が遠のき、売上は前年比30%にも及ばない経営難に陥ってしまいました。

一時は1億5千万円に達する年商がありましたが、これまで金融機関からの借り入れに大きく頼っていたため財務状況を立て直すことが難しく、2020年4月の時点で会社を畳む決断に至ったようです。

男性は、当時からコロナの収束に1年以上かかると予想した経営計画を立てていましたが、コロナ禍においてサービス業に対する向かい風は厳しく、毎月会社の預金は減り続けていきました。

早期に廃業を決断したのは社員、取引先、関係者に対する配慮でもあり、弁護士に相談した上で廃業が正しい選択であると判断したようです。

男性は、従業員を解雇したことに対して心残りはあるものの、廃業を選んだことに今でも後悔はないと語っています。

出典元:コロナで廃業を決めた飲食店経営者が語る、「年の瀬に何を思うか」(週刊ダイヤモンド)

廃業支援をコロナ禍で活用する方法

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2021年、遂に新型コロナワクチンの予防接種が始まりましたが、一般人が接種できるまでにはまだ長い時間を要します。

新型コロナウイルスの影響による廃業は今後もしばらく絶えないと予想されていますが、廃業を決断した中小企業者や個人事業主に対する廃業支援も用意されています。

ここからは、新型コロナウイルスの影響を受けた事業主が活用できる廃業支援「事業承継補助金」と信用保証協会が設けている「自主廃業支援保証」をご紹介していきます。

事業承継補助金

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、地域の貴重な経営資源を次の世代に引き継がせる目的で支援を行う補助金制度が設けられました。

この補助金制度は事業承継や引き継ぎ、それに伴う事業の廃業手続きにかかる費用が対象になります。

【事業承継・引き継ぎに伴う廃業支援の要件】

  1. 士業専門家に支払う申請資料作成経費
  2. 設備機器の解体費と処分費
  3. 商品在庫の処分費
  4. 施設や設備の原状回復に要する費用

補助率は手続きに要する費用の3分の2とされており、補助上限額は400万円(廃業手続きを要する場合は200万円まで上乗せ)となっています。

新たな事業スタートのため、事務所や事業の廃業が必要になる場合は必ず活用しておきたい制度となっています。

自主廃業支援保証

廃業支援は、信用保証協会や金融機関が行っているケースもあります。

自主廃業支援保証は、廃業計画の実施に必要となる資金を調達できる制度で、事業譲渡や事業承継が上手くいかない経営者や、経営の悪化によって事業継続が見込めない中小企業者が対象となります。

自主廃業支援保証は以下の全ての要件を満たすことで利用可能となります。

  1. 事業譲渡・経営者交代などで事業継続が見込めず、自主廃業を選択した場合
  2. 直近決算が債務超過でなく、完済を要する債務について事業清算によって完済が見込める場合
  3. バンクミーティングなどで合意に至った廃業計画書に従って、計画の実行や進捗報告を行える場合

出典元:自主廃業支援保証(経済産業省)

要件を満たした場合は、以下の条件の補助を受けることができます。

保証限度額 最大3,000万円
保証料率 0.45%~1.90%
保証割合 責任共有保証(80%)
保証期間 1年以内(終期は解散予定日より前とする)
保証人 基本的に法人代表者以外の保証人は不要

申請する場合は、取引履歴のある金融機関か信用保証協会に相談する必要があります。

買掛金の決済や原状復帰までに必要な資金調達が難しい企業に対する支援であり、廃業手続きを円滑に進めるために欠かせないものとなっています。

廃業支援センターによるコンサルティング

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会社の将来、従業員の将来を考えた場合、やむを得ず廃業を選ばなければならないこともあります。しかしながら、廃業は全てにおいてネガティブなものではなく、失敗を活かしてネクストステージで大成功をおさめるチャンスでもあります。

廃業から次のステップに進むためには、経営者にとても大きな手間や負担が発生する廃業手続きを済ませなければなりません。

そこでおすすめしたいのが、廃業を決意した経営者の再スタートを支援するコンサル会社や専門企業に相談をすることです。

廃業支援センター」では、実際に自身でも廃業を経験し、廃業の痛みや苦しみを乗り越えた廃業支援コーディネーターが、廃業支援サービスを提供しています。

廃業支援センターが目指す理想の廃業とは?

廃業支援センター」は、廃業を考えている孤独な経営者に寄り添い、精神的な負担が大きくかかる廃業手続きから再創業支援に至るまでのサポートを行っています。

独自のネットワークを活かし、廃業に強い弁護士や税理士などの士業専門家のご紹介ができるため、廃業を成功に導ける信頼性の高いチーム結成が可能となり、スケジュールの策定から実施まで丁寧に支援することができます。

面倒で手間のかかる廃業手続きに必要な書類作成などのプロセスも任せられるため、お客様は時間に追われることなく、精神的なゆとりを持って廃業手続きを進められます。

廃業支援センターは円滑な廃業を実現させるだけではなく、その後の再創業をサポートするアドバイザーとしても頼ることができます。

長年培ってきた事業のノウハウや価値を無駄にすることなく、しっかりとネクストステージで活かしていただける「理想の廃業」の実現を目指したい方は、「廃業支援センター」に是非、ご相談ください。

まとめ

経営の悪化によって廃業を決断する経営者は、新型コロナウイルスの感染拡大によってさらに増加し、コロナが収束した後もこの流れがまだまだ続くと予想されています。

接客を要する飲食業や宿泊業は特に大きなダメージを受け、何十年と安定した経営を続けてきた老舗であっても廃業せざるを得なくなったケースがみられます。

廃業は自主的に事業を止めることであり、債務の増大を防ぐとともに次の事業に向けてしっかりと節目をつけられる手続きです。しかし、手続きには相当な専門知識や手間、時間を要するため、経営者ひとりで進めるには、心身ともに大きな負担がかかるとを理解しなければなりません。

「廃業手続きにおいて何かトラブルが発生しないか?」
「適切な債務整理を行えるのか?」

このような悩みを持っている方は、廃業の全てを知る専門家を頼ることをおすすめします。

廃業支援センター」は、廃業を実際に経験した廃業コーディネーターによる的確なアドバイス、手厚いサポートを提供できる、廃業をメインに取り扱う専門企業です。

円滑な廃業と再スタートを実現させるため、しっかりと課題を洗い出してひとつずつ着実に解決していきます。

廃業に向けて信頼できるパートナーをお探しの場合は、是非この機会に「廃業支援センター」までお問い合わせください。

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