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会社をたたむ費用は何万円? 手続きの流れと判断のタイミングも解説

会社をたたむ

会社をたたむ費用は自分でやると手続きに8万程度かかる事になります。この手続き自体は社長自らでも出来るものになります。手続き自体を司法書士に依頼すると5万から8万程度の費用が別途かかる事になります。また、会社をたたむ際には税理士に2回決算を依頼する事になります。この費用が30万~50万程度かかります。廃業支援センターでは廃業に関わる手続きを、出来るだけ社長が自分でする事をお勧めしています。出来るだけ費用をかけずに会社をたたむ方法について廃業経験者が解説します。

会社をたたむ判断・タイミングはどうしたらいいのか?

会社をたたむ判断は個々の会社の状況により大きく異なるといます。一般的に考えると下記の状態になっているのであれば、会社をたたむ判断をするタイミングとなります。

会社を畳む判断

・営業利益ベースで3年以上赤字が続いている
・債務超過である
・取引先や金融機関への支払いが出来なくなる時期が見えている

・営業利益ベースで3年以上赤字が続いている
会社が生み出す粗利で固定費等を賄う事が出来ていないという事は、扱っている商品やサービスが市場とマッチしていない可能性が高いです。小さな商いからスタートした会社が地域の中で発展し、会社組織になった中小企業が多いと言えます。そうした企業の成長曲線が終盤期に入り、当初持っていた「稼ぐ力」を失っているケースがあります。3年赤字が続くなかで業態転換や抜本的な収益の改善を見込めないようであれば、廃業を一つの選択肢に考えた方がよいと思われます。

・債務超過である
会社をたたむという事は、法人格を消滅させるという事になります。貸借対照表上で資産が負債よりも多く、買掛金や借入をすぐに支払える状況であれば会社をたたむ事は比較的容易であると言えます。会社が資産超過であれば、取引先や金融機関への支払いを済ませて、営業を停止して、残った資産をお金に変えて株主に配当して清算の手続きを進めていきます。このようなケースを通常清算と言います。裁判所が関わる事なく、会社だけで手続きをする事ができます。
他方、債務超過になっている場合は、特別清算や破産という選択肢になってしまいます。その意味では債務超過になる前に会社をたたむ判断が出来ていた方がタイミングとしては良いといえます。

・取引先や金融機関への支払いが出来なくなる時期が見えている
取引先や金融機関への支払いが出来なくなる時期が見えている=資金繰りが限界に近いづいている状態は法的整理を検討すべき段階になります。会社のお金が回らないという事に気付いた際には、いち早く専門家に相談する事をお勧めします。法的手続きを検討する場合は弁護士に相談する事になりますが、顧問弁護士がいない場合は、地域の弁護士会が法律相談を実施していますので、無料若しくは低価格で相談にのってもらえます。また、国が設置しているよろず支援拠点においても廃業の相談をうけつけています。社長が一人で悩んで堂々巡りになってしまい、解決策を見え出せない事もあります。そうした場合は、専門家に早めに相談する事をお勧めします。

会社をたたむ手続きについて

会社をたたむ手続きについて、順を追って解説していきます。

1.会社をたたむ準備をし、営業終了日を決める
2.株主総会で解散決議し、清算人の選任決議を行う
3.事業の停止・清算事務の開始する
4.解散及び清算人の登記を行う
5.解散時の財産目録と貸借対照表の作成し、株主総会での承認決議をする
6.債務の弁済をする
7.債権申出公告及び債権者への通知をする
8.債権の回収や会社財産処分を行う
9.清算事務年度の決算承認の株主総会決議をする
10.残余財産を株主に分配する
11.清算事務報告書の作成と株主総会で承認決議をする
12.清算結了登記を行う

1 会社をたたむ準備をし、営業終了日を決める

会社をたたむ為には準備が必要になります。必要な準備を怠ると、後々の手続きに影響をあ与える事になりますので注意が必要になります。
・取引先及び従業員への事業停止の告知
・借入や買掛金の支払い、従業員への賃金や退職金の支払い
・事務所・工場などの退去や売却の手続き

従業員への告知や解雇予告に関してはデリケートな問題になりますので、社長自らが伝えるのが不安な場合には弁護士に立会いを依頼する事をお勧めします。解雇に関する説明などが不適切になってしまった場合、不当解雇であるとして従業員から裁判を起こされる可能性もあります。金融機関の借入の返済や取引先への買掛金の支払いを全て済ませるせる事が、通常清算の前提になります。そもそも支払いが困難な場合は、破産などの法的整理を検討する事になります。事務所や工場の賃貸借契約を解約したい場合は6か月前までに解約予告を行う必要があるケースが大半です。入居の際の、賃貸借契約を見て原状回復の範囲などの確認を事前にした方がベターです。自社所有の不動産がある場合は、事前に売却価格がいくら位になりそうか不動産事業者に確認しておいた方が後々で慌てずにすむ事になります。取引のある不動産会社だけでなく、複数の会社から見積りを取り良い条件の会社を探してみるとよいでしょう。会社をたたむ準備については下記ページも参考にしてください。
会社をたたむ前に必要となる5つの準備と注意すべき点を解説

2.株主総会で解散決議し、清算人の選任決議を行う

解散に向けて、まず株主総会を開いて、株主総会の招集をする為に、締役会を開催します。その後、株主総会で解散の決議を行います。書面にて決議をする事もできます。株主が複数いると廃業にむけて意見がまとまらない事もあります。複数の方が株主になっているといった場合は、事前に株式の買取をおこなって社長のみが株主になって、代表取締役が一人の状態になっていた方が手続きをスムーズに進める事が出来ます。
役員辞任の手続きを自分で行う際の注意点、法務局への提出書類を解説

3.事業を停止し、清算事務の開始する

取引先やお客様に対して行っていた事業を全て停止します。解散の決議をしてもこの時点では会社は終わっていません。税務上は清算事業年度という期間になります。

4.解散及び清算人の登記を行う

解散の決議から2週間以内に、法務局へ申請を行います。法務局の商業・法人登記の申請書様式のページに書式が掲載されている「株式会社解散及び清算人選任登記申請書」を記入します。記載する内容は、法人番号、商号(社名)、登記の事由(解散 令和○年8月○日清算人及び代表清算人の選任)などを記入して、捺印します。添付書類は株主総会議事録、
株主リスト、就任承諾書、委任状(司法書士に依頼する場合)となります。登録免許税は解散の登記が30,000円,清算人及び代表清算人の選任に関する登記が9,000円で、合計39,000円になります。

5.解散時の財産目録と貸借対照表の作成し、株主総会での承認決議をする

会社を解散した後は、解散時の財産目録と貸借対照表を作成し、株主総会において、その承認を受ける必要があります。通常は取引のある税理士に依頼する事になります。解散を行った期の事業年度開始日から解散日までが、解散事業年度になります。解散確定申告を解散日の翌日から2か月以内に提出する必要があります。

6.債務の弁済をする


この後の手続きとなる債権申出公告をすると債権の支払いが原則的にできなくなりますので、金融機関の借入の返済や取引先への支払いは済ませておきましょう。会社法の500条で債権申出期間は債権の弁済が禁止されています。ただ、債権申出機関が終われば、弁済する事は可能になります。

(債務の弁済の制限)
第五百条 清算株式会社は、前条第一項の期間内(※注:債権申出期間内)は、債務の弁済をすることができない。この場合において、清算株式会社は、その債務の不履行によって生じた責任を免れることができない。
2 前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、前条第一項の期間内であっても、裁判所の許可を得て、少額の債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権に係る債務について、その弁済をすることができる。この場合において、当該許可の申立ては、清算人が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。

7.債権申出公告及び債権者への通知をする

会社をたたむ際には官報に公告する必要があります。官報は普通に仕事をしていると、なじみの無いものかもしれませんが、会社が利害関係者に対して公的に「お知らせ」するものになります。官報は紙で発行されていましたが、現在はインターネット版官報も利用されてあいます。会社に対して債権を持っている債権者に対して「当社に対して債権を持っている場合は2か月以内に申し立てをしてください」という告知を公的に行う役割を官報はもっています。

8.債権の回収や会社財産処分を行う

売掛金や未収金の回収をする事になります。顧客とトラブルになっていて、払ってもらえていない売掛金などがある場合は、弁護士に相談して未収金の回収をする事も必要になります。弁護士から債権に関する内容証明を送ってもらって、解決を図る事も検討したほうがいいでしょう。未払い金の回収が全額出来ない場合は、一定金額でも払ってもらえるように相手との交渉を進めていく事も必要になります。こうした交渉には以外と時間がかかるので、あらかじめ未収になりそうな債権については、確認しておく方がよいでしょう。時間が経過してしまった案件に関しては時効になってしまっている事も考えられますので、注意して対応する必要があります。

9.清算事務年度の決算承認の株主総会決議をする

会社が解散すると「清算事業年度」という事業年度が解散日の翌日からスタートする事になります。通常の事業年度と同じように確定申告をする事になります。清算事業年度であっても株主総会の承認が必要になります。

10.残余財産を株主に分配する

清算会社に在庫や不動産などの資産が残っている場合は、現金化をして株主に分配する必要があります。在庫や商品の処分が通常の取引で行うと時間がかかってしますケースがあります。大量の在庫処分を専門に行っている買取業者や管財物件を扱ってる会社に相談をするとスピーディに対応してもらう事が可能になります。工場などで使っている生産設備や工作機械は古くても海外の市場向けの販路がある為、買取の価格がつくケースもあります。出来るだけ多くの事業者に見積りを依頼して、高く買取をしてくれる事業者を見つける方が株主にメリットがあります。不動産の売却に関しては、時間がかかるケースもある為、事前に複数の不動産会社に物件の査定を依頼しておく事をお勧めします。

11.清算事務報告書の作成と株主総会で承認決議をする

残余財産の処分を終わらせたら、清算株式会社は遅滞なく、決算報告を作成し、株主総会に提出し、その承認を受けなければならないと会社法507条1項 3項に規定されています。
清算会社の決算報告は、会社の資産が清算事務手続きのなかでどのように換価されたかを株主に報告する役割を持っています。「しっかりと資産が現金化されました」という事を会社の最後に会社のオーナーである株主に説明するという事になります

12.清算結了登記を行う

清算事務の株主に対する承認が終わってから、2週間以内に法務局に清算決了登記の申請を行います。法務局に提出する書類は下記になります。

・株主総会議事録
・清算事務報告書(決算報告書)
・株主リスト

株主総会議事録のサンプルは下記のようになります。

それぞれの書類もさほど難しいものではありません。司法書士に依頼をすると費用がかかる事になりますので、できるだけ自分でする事をお勧めします。

会社をたたむ費用はいくらかかるのか

会社をたたむ
会社をたたむ

①解散登記費用
法務局に会社を解散する事を伝える手続きの費用になります。3万円がかかります。

②清算人の専任の登記費用
会社の清算をする際には、通常社長が代表清算人になります。この登記の費用が9千円になります。

③官報公告の費用
会社をたたむ際には手続きの6で伝えたように、会社をたたむ際には官報に公告する必要があります。官報公告の費用は10行で3万5千円程度になります。

④清算決了の登記費用
会社を法的に閉じる為の清算決了の登記には2千円かかります、

会社をたたむ為の登記の費用と官報の費用を合計すると8万程度になります。これを司法書士に依頼すると5万~8万程度の費用がかかります。また税理士に依頼する2回の決算の費用は30万~50万になります。会社をたたむ為の手続きを出来るだけ自分でする事がコストを抑える方法になります。ただ、知識がないまま間違った手続きをしては意味がありません。自分で出来る事とそうでない事を見極めて、専門家に依頼すべき事は依頼した方がよいと言えます。

<まとめ 会社をたたむコストはケースバイケースなので事前の相談がおススメ>

会社をたたむ費用と手続きについて本記事で解説しましたが、前提としているのは全ての債権が支払い可能な通常清算の場合となっています。金融機関への支払い出来ない、取引先の買掛金の支払いが出来ないという状態であれば、私的整理や法的整理を検討する事になります。社長が会社をたたむという事を意識した時には、自社が通常清算が出来るのか、法的整理を検討しないといけない状況なのかを早めに判断する必要があります。通常清算ではなく、私的整理・法的整理になってくるとそれぞれの手続きでかかってくる費用は大きく変わります。会社をたたむという事を少しでも考えた際には、まずは専門家に相談する事をお勧めします。廃業支援センターでは、廃業経験のあるコーディネーターが手続きについての相談にも対応しております。廃業が頭によぎった際にはご相談くださいませ。

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