廃業を知る

建設業の倒産件数は?倒産理由や今後の動向について解説

建設業 倒産 コロナ

先行きの不安なコロナ禍の中、建設業の倒産状況の現状はどのようなものなのでしょうか。
本記事では、2020年以降の業界のデータを紐解きながら、倒産数の現状と業界が抱える問題について調査しています。
また、やむを得ず倒産・廃業する場合の手続方法や気をつけるべき項目など、実践的に役立つ項目をまとめました。

歴史的低水準を記録した建設業の倒産

コロナ禍において、建設業の倒産件数は他業種と比べても減少傾向です。
株式会社東京商工リサーチ調べの「全国企業倒産件数」によると、2020年における建設業の倒産件数は、前年比13.6%減の1,247件でした。また、2021年1月期の倒産件数は82件と、1月期統計では過去30年間で最少を記録しています。
引用元:https://www.tsr-net.co.jp/news/status/yearly/2020_2nd.html

しかし、その内訳を見てみると、土木工事業の倒産件数は前年を大きく下回る一方で、電気工事業の倒産は40%増加するなど、業種ごとにバラつきが見られました。

建設業界で二極化するコロナウィルスの影響

新型コロナウィルス感染症の流行に起因する外出自粛にともない、大幅な減収に晒されている業界が多く見られます。
特に顕著なのが飲食業・アパレル業の経営破たん率の高さですが、それほど注目度が高くないと思われた建設業においても、2020年末頃になるとこれらの業種についで破綻率が高くなってきており、12月には年内で最多の19件が倒産しています。これは12月におけるコロナ禍を原因とする倒産の中では、全体の19.8%を占める割合であり、建設業にもコロナ禍の影響がじわじわと出始めていることがうかがえます。
また、2021年2月における減収企業率(前年の同じ月と比べて売上高が減少した企業の割合)が73.8%と、実に7割以上の企業が減収となっています。
一方の新型コロナウィルスによる企業活動への影響を調査するアンケート調査では、影響を受けていると回答した企業は、建設業の中での割合は47.1%で、影響を受けていないと回答した企業は43.8%となりました。
同じ建設業界内でも、新型コロナウィルスによる影響の大きさは二極化していることが特徴的です。
引用元:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210330_02.html

建設業が倒産・廃業する原因

建設業 倒産
帝国データバンクが2020年に発表した「後継者不在率の動向調査」によると、業種別に見て後継者不在率が最も高いのが建設業であり、人材不足が深刻な問題となっていることが伺えます。
この人材不足を原因とする倒産が建設業ではきわめて多く(2020年1~11月の帝国データバンクの調査によれば92社にものぼる)、後継者の確保は重要な課題となっています。
引用元:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p201107.html

後継者不在の背景には、建設業界の若年就労の減少があります。労働時間の長さや休日の少なさが、若年層に敬遠される要因のひとつとなっており、完全週休2日制の導入を始めとした適正な勤怠管理・福利厚生の充実といった労働環境の改善が急務といえるでしょう。
なお、これらの建設業特有の課題点は、新型コロナウィルス流行以前から指摘されていたものでもあります。目先の問題に対処するだけではなく、業界の将来を見据えた根本からの福利厚生の改善が必要です。

2021年以降の建設業界はどうなる?

2020年までの傾向を踏まえて、2021年以降の業界の先行き予測を見ていきましょう。
コロナ禍が建設業界に与えた悪影響は小さくありませんが、一方で良い方向に進むと見られる材料もあります。
また、やむを得ず倒産や廃業の手続きを行う際の手順および注意点についてもまとめます。

工事減少による建設業界内の競争激化

2020年を振り返って、大手の建設会社は全業種の中でも好調を維持していたと言えます。
一方で小規模な会社のコロナ関連の倒産・破たんは大幅に増えています。比較的小規模な工事の案件のキャンセルや計画見直しが相次ぎ、体力の少ない中小・零細企業に打撃となりました。倒産した建設業の中で、負債額別に見た場合では、5億円未満のものが約9割を占めています。従業員数を見ても、10人未満の企業が約8割となっており、やはり中小・零細の企業の倒産が圧倒的に多くなっていると言えます。
引用元:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210208_06.html

そして、2021年以降の予測としては、工事の減少によってシェアの奪い合いが起こり、受注価格の叩き合いを始めとした業界内の競争も激化しかねません。

建設業界の下降線は緩やかになるという予測も

建築業 倒産
中小企業の倒産が相次ぐ一方で、建設業界全体への需要は依然として高いままであると予想されています。開催が延期となった2020年東京五輪へ向けた施設整備や、大阪万博の開催、リニア中央新幹線の開通など建設業界に関わる大きなイベントも控えています。
他にも、高度経済成長期に建設されたインフラの老朽化が進んでいることからメンテナンスの需要も高まっています。今後10年以上、保守・保全が必要になるインフラは増大していく見込みとなっているため、長期的な建設需要が起こるのは確実と言っていいでしょう。
また、2020年に起こった熊本の集中豪雨のように、天災による被害を受けた建物やインフラの補修も大きな需要です。政府は2020年度の予算として、水害の対策に6,247億円、集中豪雨などへの土砂災害に対する総合的な対策に1,309億円、地震への対策の推進費として2,303億円を投入しました。
引用元:https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2020pdf/20200207141.pdf

2021年度においても、引き続き災害からの復興や、防災・減災のためのインフラ整備、建築物の耐震化などに予算を割いています。
引用元:https://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_002080.html

これらの資金が建設業界を活発化するでしょう。このような見通しから、建設業界においては、コロナ禍における業績悪化の下降線は緩やかになると予測されています。

建設業の倒産・廃業時に注意するポイント

倒産と廃業とでは、必要な手続きの流れやかかる費用が異なります。そもそも倒産と廃業とでは定義に違いがあるのです。
倒産とは、金銭的な事情で事業の継続が不可能となった状態のことを指します。負債が支払えない状態なので、倒産手続を行って、経営再建もしくは破産へと移行します。
一方の廃業は、個人事業主もしくは法人が自主的に事業を止めることを指します。こちらは経営状態の悪化だけが理由ではありません。廃業するにあたっては、廃業届の提出・株式総会の解散・負債の返済などの各種手続きを行います。
廃業の場合は負債を完済、また従業員への給与・退職金などの支払いを確実に行わなければいけません。金銭的にも時間的にも余裕を持って着手する必要があります。

また、建築業の廃業にあたって特に大変なのが、仕掛りの案件引き継ぎです。建築途中の物件がある場合、他社への引き継ぎを依頼する必要があります。ここに大変な労力がかかるので注意が必要です。
会社が所有する倉庫・材料・機械などの処分も非常に手間がかかるため、期間に余裕を持って対処にあたったほうがよいでしょう。普段の業務とは毛色の違う作業になりますので、相応の労力と気力が必要です。
また取引先や業者および従業員への対応も早め早めに進めておきましょう。急な通告は思わぬトラブルの元になります。

ウッドショックによる倒産増加の懸念

ウッドショックという言葉が建設業界の中でも話題になっています。コロナ禍の影響により、アメリカでの住宅需要が高まった結果、木材の価格が2021年から高騰しています。プレカット工場の稼働率が下がってしまい、住宅建設業に携わる中小工務店が構造材になる米松を仕入れ事が困難な状況が続いています。住宅建設業・工務店の入金サイクルとしては、請負契約をお客様と交わした後、着工金・上棟金という順番で入金される形になります。材木の入手のめどが立たずに、お施主様からの入金がなければたちまち資金繰りに窮する住宅建設業・工務店が増えてくる事が懸念されます。廃業支援センターではそうした状況にある、建設事業者向けに「ウッドショック相談窓口」を開設しました。今後の事業継続性に不安のある方は、ぜひご相談ください。

ウッドショックは、与信力が低い工務店の経営状況を急速に悪化させるリスクがある  早急な再建への対策が急務です!

まとめ

建設業界が直面している倒産・廃業の現状と今後の動向予想をまとめました。深刻な人材不足が原因にある倒産・廃業が全体の課題になっている点については、適切な勤怠管理と福利厚生の充実が急務です。
また、やむを得ず廃業する場合には、通常の業務とはかけ離れた作業が必要になります。どのように廃業すればよいのか分からず、時期を見誤ると大きな負債を抱えかねません。そんな時に相談できるのが「廃業支援センター」です。専属のチームを結成し、経営者に親身になった支援を行います。なお、相談の受付は法人でなくても可能です。小規模から中規模の事業主からの相談も承っていますので、まずは「廃業支援センター」までお問い合わせください。

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